ミリタリー感あるヴィンテージ靴のアッパーの硬化とクセをクリーニングで緩和させてオールソールするお直し
いつもご愛顧いただきありがとうございます
最近、『ブログを見て来ました』とお店を訪ねてきてくださるお客様が多く感じられ、メールやお電話でのお問合せも増えております
本当にありがたい事だなぁと嬉しウルウルの私ですが、これからも地道にやってまいりますのでどうぞよろしくお願い致します
今回は、中古でご購入されたヴィンテージ靴のお悩みを解決するには? のお直しを書いていこうと思います
こちらのミリタリー感もありながらカワイイ靴のお直しのご相談をお客様にいただきました
古着でご購入され気に入っているのだけどアッパーと底がカチカチでどうしたものか?というお悩みでした
靴の状態を拝見させていただくと、アッパーの革はクセのついた状態で乾燥により硬化しており底材も経年で硬化しておりました
土台がしっかりとされている靴だと感じられたので、底材の硬化はオールソールお直しでスッキリ解決できると判断できたのですが、アッパーの硬化はどこまで解決できるかがうーーーーーんと考えてしまいました
お客様は『少しでもカチカチが柔らかくなればそれで良いです』とおっしゃっていただけたのですが、少しでなく気持ちよく履いていただける状態に回復させたいと思いベストだと考えられた方法をご提案させていただきました
アッパーについた強いクセは、水につけこまないと解消できないと判断してクリーニングをさせていただく事とアッパーが乾燥しきっている状態なので、負荷なくクリーニングできる状態になるまで数回にわけてお磨きでアッパーに栄養を入れていき、手で揉んで柔軟さ、しなやかさを回復させてからクリーニングを行うことをご説明させていただきオールソール作業と併せてお客様にご依頼いただけました、ありがとうございます
それでは、お直し開始であります
まず最初のお磨きをかけてからオールソール作業の準備として底を分解していきます
フチまわりの役割もしているしっかりとした革のミッドソールがあらわれました
太い糸で手縫いの底縫い(この靴はマッケイ)がかけられており、通常は古い縫い糸を抜いてしまって綺麗にするのですが強度がまだまだバッチリな事と抜くのがもったいないなぁと思ったので強度アップに活かして歴史保存させていただきました
この状態にしてからクリーニングへ至る道のお磨きと揉みで日にちをあけながらアッパーの状態を整えていきます
柔軟さ艶やかさが出てきたところで強くついてしまったクセを解消するためのクリーニング(水へつけこみ)をします
クリーニングで内側も外側もキレイにし終えたら、水気を含んだ状態の靴を工夫して形を整えて、状態を見ながら形を整えてをしながらじっくりと低温乾燥機で乾かしていきます
乾燥が終わったところでオールソール作業を再開
クション性のある材質のベージュのミッドソール(中板)を今回は取りつけます
お客様からのご要望が、優しい雰囲気にしてほしいとの事でしたのでベージュ系統の色味の材料で組み上げていきイメージチェンジします
ミッドソール取付けが完了後、底縫い(今回はマッケイ)をかけます
底縫いが終わったらシャンク(靴の背骨のようなもの)の役割のあるミッドソール部分をベージュのスポンジを使用してバランスをみながら加工し取りつけた後に、スニーカーソ-ルを取りつけ形を整えてオールソール作業は完了です ふぅ
クリーニングの最終仕上げをしてから。。。
完成です‼
仕上がりはこの様にさせていただきました
革のモチモチ感が復活しました、底材はベージュ系統のスニーカーソールです
クッション性とグリップ感はバッチリですよ
白からベージュで優しい靴表情にイメージチェンジできました
ミッドソールの材質もクッション性がありますので気持ち良くお履きいただけると思います
強くついてしまったアッパーのクセもクリーニングすることで緩和することができました
履き口部分の強いクセも緩和できたので脱ぎ履きが楽になると思います
これから活躍の機会が増えていただけたら嬉しいです
以前とってもお世話になった方からの『革は水だよ』の教えをフル活用した今回のお直しでした
お引渡しした靴を早速、お客様履いてくださり『気分が上がる』ととっても喜んでいただけました
カチカチのお悩み解決、お役にたてて本当に良かったです
またのご利用を心よりお待ちしております、ありがとうございました
今回のお直しは
オールソール(レディース) ゴム ¥9130(税込み)
ミッドソール(中板)交換×2 ¥2200(税込み)×2
クリーニング ¥2860(税込み)
期間は1か月~1か月半をみていただきました