加水分解してしまったCHANEL/シャネルのスリッポンスニーカーをカスタムオールソールでお直しする
いつもご愛顧いただきありがとうございます
季節の変化を感じながらお客様からご依頼いただけた沢山のお直しとクリーニングに日々取り組んでいる私であります
どうあっても自分で動かせる体は一つしかないという当然のことにもどかしさを感じながらも体調を崩さないようにを心がけて、ひとつひとつ責任を持ってお客様からお預かりさせていただけているお品物に向き合っていこうと思います
お預かり期間や様々な事でお客様にはご不便をおかけし申し訳ありませんがご理解とご協力をいただければ幸いです
久々のお直しのご紹介となってしまいすみません
当店のブログを読んでいただいたお客様が私もこの底で靴を直したいとご依頼いただけたオールソール交換の事を書いていこうと思います
よろしくお願いします
思い入れがあるのでもう一度履けるようにしたいとこちらのお気に入りのシャネルのスリッポンスニーカーをお直しの相談でお客様にお持ちいただけました
ありがとうございます
経年変化で加水分解してしまった状態でしたがお客様ご自身で分解部をきれいに取り除いた状態でお持ちくださりました
お心遣いに本当に感謝です
お客様のお話を聞きながらどういった仕様の靴だったのかを想像してこれから作っていく新しいイメージにどういうお直しのアプローチがあるかを考えてプランを決定していきます
つま先部分のラバーキャップの状態が良かったので、活かすことができると判断でき本当に良かったと思いました
この部分はこの靴の雰囲気の大事な部分と考えたので
読んでいただいたブログの記事から底材はビブラム♯7124リップルソール(通称シャークソール)をお客様はご希望されました
重量感がある底材なのでその点がこの靴のお直しに使用するのはどうなんだろうと思いソールのパターンは同じなのですがスポンジ素材で軽量のこちらの底材をご提案させていただきました
ビブラム♯2661 色は黒のみのお取り扱いです
厚みボリューム感も持たせたいとのご要望にミッドソールにはスポンジ素材のビブラム♯271PFITTERのベージュを使用することにしました
使用する底材とお直しプランのイメージをお客様に納得していただきご依頼をいただけました、ありがとうございます
それではお直しを進めてまいります
まずアッパーに残ったオリジナル底材が取り付けられていた接着跡を今回は黒スエードの革を使用して巻いてあげることでカバー(隠してあげる)します
革を巻き終えたアッパーに今回は黒のゴムウェルト(フチまわり)を取りつけていきます
ウェルトを取りつけ終えたら3mm厚のゴムのミッドソールを取りつけ土台を作り全周に底縫い(今回はマッケイ)をかけます
底縫いをかけ終えればしっかりとしたアッパー部分の組み上げは完了です
底材を取り付けていきましょう
まずはボリューム感を持たせるためビブラム♯271Pベージュを取りつけます
厚さのバランスをみながら機械で調整加工していきミッドスポンジ部分が決まったらビブラム♯2661を取りつけて最終仕上げ後にお手入れをしてお直しは完了です
仕上がりはこの様にさせていただきました
シャークソールがインパクトあるけどかわいく馴染む感じですね
ミッドソールのスポンジがベージュなので色馴染みの良さと優しい感じも出せました
黒、ベージュ、黒のサンドイッチ配色にすることでボリューム感はあるけれど視覚的に重たい感じはしません
底材をスポンジ材でまとめることで可能な限りの軽量化も図れたので歩行の面でもバランスがとれた仕上がりとなっております
お客様へお引渡しをした際に「明日の出勤にさっそく履いてきます」とお言葉をいただきお役にたてて本当に良かったと思いました
新しいイメージで復活した思い入れのある大切な靴をこれからも楽しくお履きいただければ嬉しいです
またのご来店を心よりお待ちしております
今回のお直しは
オールソール(レディース) ¥9130(税込み)
底材手配 ¥2420(税込み)×2
ウェルト取付け ¥2200(税込み)
ミッドソール取付け ¥2200(税込み)
黒スエード革巻き ¥2200(税込み)
期間は1か月半~2か月をみていただきました